中川(庄内古川)に架かる「大榎橋」付近の石造物
(2021年12月21日撮影)
中川(庄内古川)で東西に隔てられている、春日部市(旧、庄和町)榎と杉戸町大塚との間には、幅の狭い「大榎橋」が架けられております(厳密には、境界は河岸より東側に引かれており、「大榎橋」の東端も杉戸町に含まれておりますが)。
この「大榎橋」の西のたもと(杉戸町側)には、三基の庚申塔が立っており(上掲写真左端)、杉戸町の文化財として説明板も掲げられております。
しかし、「大榎橋」から東側(春日部市側)に延びる道の路傍にも、江戸時代の小さな石造物が二基、ちょこんとたたずんでおります。
右側のは閻魔大王です。庚申塔でしょう。「宝暦七丑三月十五日」、即ち、西暦1757年の石造物です。「悪いことをすると閻魔さまに裁かれます」と、二百六十年以上、立ち続けているのでしょう。
左側のは「馬頭観世音」と文字だけが刻まれています。「元治元子三月■日」と読めます。こちらは、西暦1864年、幕末のものです。
杉戸町大塚の庚申塔を訪れた方は、是非、「大榎橋」を渡って、電信柱、三本先まで足を延ばしてみてください。文化財に指定されているわけでもなく、特に珍しいものでもありませんが、このように、さりげなく石造物が道端にたたずんでいる光景は、まことに好ましく感じられ、大いに心が惹かれるものであります。
(2022年1月3日記)
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