宇都宮市「駅東公園」に静態保存の
旧型電気機関車EF577号機

2021626日訪問)
 
EF57 7
 
 宇都宮駅の東方、徒歩10分の距離に位置する宇都宮市 元今泉 五丁目の「駅東公園」は、国鉄の幹線旅客列車牽引用電気機関車 EF57形、いわゆる「ゴーナナ」が唯一保存されていることで知られております。
 2021626日土曜日、EF57に会いに行こうと思い立ち、期限切れが迫る東武鉄道株主優待乗車券を利用して宇都宮まで往復しました。東武宇都宮駅を起点に、徒歩で、二荒山神社、宇都宮駅、目的の宇都宮市「駅東公園」、さらに宇都宮市「東図書館」、今泉、竹林、大曽から八幡山の東麓を南下し、慈光寺の「赤門」を経て起点に戻りました。
 さて、「駅東公園」においてEF57がたたずんでいる位置は、公園の東北部分、「駅東公園プール」のすぐ東隣で、宇都宮白楊高等学校の南方です。東武宇都宮駅または宇都宮駅(西口)からバスを利用する場合には、「関東自動車」バスの第12系統「越戸経由 柳田車庫・松下電器」行きで「白楊高校」バス停で下車するのが至便でしょう。公園の東側を南北に伸びるイチョウ並木道を南下すると、「ようこそEF57 7 へ」の案内標で迎えられます。
 ・路線図・停留所−関東自動車株式会社
  https://www.kantobus.co.jp/route/pdf/route5.pdf
 ・白楊高校 時刻表検索−関東自動車株式会社
  https://kantobus.info/timetable/result/?no=000596&de=000000
 もっとも、私はプール入口の東側から北上しましたので、プール脇の駐車場に入ったところで、南面する機関車の正面を望むこととなりました。
 予想にたがい、土曜日であるにもかかわらず私以外には訪問者がありませんでした。そのため、心ゆくまでEF57機と"対面"することができました。
 機関車は屋根の下に鎮座し、西側には、隣接するプールサイドと同じ高さのプラットホームが設置されております。架線も張ってあり、パンタグラフも上がっておりますので、写真を撮影する際の角度次第では、あたかも発車を待ちつつ停車しているかのような雰囲気さえ感じられます。
 
EF57 7
 
 ただし、周囲には、金網と鉄条網が張られた柵がめぐらされておりますので、写真撮影は、網の隙間から、または、頭上に腕を伸ばして柵の上から行うより他に方法がありません。
 なお、機関車の北側と西側には回り込むことができません。プールを利用すれば、西側のプールサイドから車体部分を観察することが可能ですが、写真撮影は許可されないでしょう。
 
EF57 7
 
 「ようこそEF57 7 へ」の案内標の右手には、宇都宮市教育委員会による説明板があります。設置年月日が記されていないのは聊か残念ですが、説明文は無駄なく的確で、申し分ありません。


電気機関車EF57 7


 EF57 7は,EF57形電気機関車の7号機として昭和17年に製造され,第2次
世界大戦中から戦後にかけて,混乱・復興・発展の時代を走り続けた。この間,東海道線
で特急「つばめ」「はと」,上越線で急行「佐渡」「越路」,東北線で急行「津軽」「八
甲田」などを引いて活躍し,昭和53年に廃車となるまでの36年間に約346万キロを
走行した、これは地球を87周した距離にあたる。
 昭和55年に日本国有鉄道から宇都宮市へ永久貸与され,同年8月より現在地に保存展
示されている。電気機関車EF57 7号機保存会により,春と秋の年2回,一般公開が
行われている。

    EF57 7のあゆみ
 昭和17年 9月30日 日立製作所で製造
 昭和17年10月23日 沼津機関区に新製配置され,東海道線を走る。
 昭和26年 6月11日 浜松機関区に移動
 昭和28年 7月28日 沼津機関区に移動
 昭和31年 8月21日 長岡第二機関区に移り,上越線を走る。
 昭和35年11月26日 宇都宮機関区に配置され,東北線上野〜黒磯間で活躍。
 昭和53年 9月26日 宇都宮運転所にて廃車


┌────EF57形電気機関車について──────────────────────┐
│EF57形電気機関車は,昭和15年から18年にかけて,総数15両が製造され,直流│
│電化区間で旅客列車を牽引した。外見上の特色として,車両の両端につきでたパンタグラ│
│フと長いデッキがあり,そのたくましいスタイルに人気があった。15両のうち12号機│
│が昭和23年に事故廃車となったが,他の14両は東海道線・上越線を経て東北線で活躍│
│した。宇都宮運転所で廃車となり,7号機以外は解体された。            │
│ 重  量   110,82トン                        │
│ 全  長    19,92メートル                      │
│ 全  幅     2,81メートル                      │
│ 全  高     4,09メートル                      │
│ 電気方式   直流1,500ボルト                      │
│ 最大運転速度 時速95キロメートル                      │
└────────────────────────────────────────┘

┌── 展示にいたる経過 ────────────────────────────┐
│昭和53年 1月 9日 宇都宮市での展示保存決定                │
│昭和54年 2月26日 現在地に設置を決定                   │
│昭和55年 4月 1日 日本国有鉄道と宇都宮市が貸借契約締結          │
│昭和55年 5月12日 塗装工事等のため大宮工場に入場             │
│       〜30日                             │
│昭和55年 5月19日 設置のための諸工事を実施                │
│     〜7月30日                             │
│昭和55年 6月 6日 日光線鶴田駅において,国鉄から市に引き渡し       │
│昭和55年 6月 8日 富士重工業宇都宮製作所において車両解体         │
│昭和55年 6月 9日 大型トレーラー3台に積み込み,現在地に陸送し,組み立て │
│昭和55年 8月 2日 最初の一般公開                     │
└────────────────────────────────────────┘

宇都宮市教育委員会


 
EF57 7
 
 EF57の外見上の特徴は、正面からツノのように突き出ているパンタグラフです(前記の説明文にも書かれております)。車体も角ばっており、全体的に豪快な印象を受けます。ちなみに、先行機EF56は、二基のパンタグラフが中央に寄せられており、特に一次型の17号機は車体も丸みを帯びているため、ヒタイがツルりとしたオヤジのように見えなくもありません。後継機のEF58は、正面二枚窓の流麗な車体ですが、面構えは何となくカメムシを彷彿とさせ、そこはかとなく愉快さと言うか滑稽味がにじみ出ているようにも思われます。
 戦前の名機、EF53からは端正さが感じられるのとは対照的に、戦中のEF57には、力強さと勢いが際立ちます。ここには、機関車製造時の時代的風潮が反映されているのかも知れないと思われる程です。ただし、EF57のうち、1号機のみは、先行機EF56と同様、二基のパンタグラフが中央に寄せられており、見た目は如何にも、おとなしそうです。
 
EF57 1
EF57 1
1986
年 国鉄発行 1000円オレンジカード
番号008607B8J5322
EF57 9
EF57 9
1987
JR東海発行 1000円オレンジカード
番号108708B9B7034
 
 この稀少価値の高い古豪電気機関車は、現役最後の十八年間を過ごした所縁の地、宇都宮の公園の一隅にて、すでに現役期以上の長い歳月を過ごしております。保存状態も良好で、関係者によって大切に扱われている様子が窺われ、訪問者の心も和まされます。
 私は現役時代のEF57を知りません。しかし、東北本線の線路と隣り合わせの東武鉄道野田線 北大宮駅のプラットホームにて列車待ちの間、眼前を行き交う東北本線のさまざまな列車を眺めておりますと、EF57機が旧型客車を何両も従えて堂々と通過する勇姿を、心のうちに想像することができる次第です。
2021628日記。修正あり




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