〔学会発表〕
赤坂恒明
「尼倫、迭兒列勤再考」

 
13−14世紀波斯文史料及蒙元史研究”学術研討会, 2019.11.23. 於呼和浩特.

【内容要約】
 ラシードッディーン『集史』第一巻「モンゴル史」におけるモンゴル集団(部)の分類、「ニルーン」と「DRLKYN」について、検討を行い、次のように推定した。
 一、「DRLKYN」は、モンゴル語「törölki」(本来の)を語源とする説が妥当であり、「ドロルキン durulkīndörölkin)」と読むべきものである。
 二、『集史』における、モンゴル高原とその周辺地域の諸集団の分類は、あくまでもラシードによる分類であって、モンゴル帝国建国期以前に存在していたとは考え難い。
 三、「ニルン」と「ドロルキン」は、ラシードッディーンによって作られた概念であり、『集史』の編纂第一段階にあたる『モンゴル史』編纂の際にモンゴル語普通詞が固有名詞化されて創成されたものである、と考えられる。


赤坂恒明のページに戻る。