ボルジギン・ブレンサイン編著『内モンゴルを知るための60章』

点滅 忝くもが「編集協力者」となっております、
 ボルジギン・ブレンサイン編著『内モンゴルを知るための60章』(http://www.akashi.co.jp/book/b208189.html
が、明石書店の「エリア・スタディーズ」の第135巻目として刊行されました(20157月)。
 本書の特徴は、各章の執筆者に占める内モンゴルのモンゴル人の割合が高いことで、多くの章には彼らの「魂」が込められており、なかには、本書によって、わが国では初めて明らかにされた事実もあります。
 読者に先んじ、このように衝撃的な書に目を通すことができたことを、たいへんにありがたく思っております。
 誤植が散見されることに忸怩たる思いはあります(ちなみに、巻末に掲げられた私の研究業績には二箇所に誤りがあります)が、ともかく、中国、内陸ユーラシア諸地域の歴史・文化・政治その他に関係・関心がおありの方には必読の書籍と存じます。
2015.7.27; 2015.8.6.増補)

点滅 明石書店の「エリア・スタディーズ」の第135巻目で、忝くもが「編集協力者」となっております、
 ボルジギン・ブレンサイン編著『内モンゴルを知るための60章』(http://www.akashi.co.jp/book/b208189.html
の2刷が出ました。
 第1刷には誤植が多かったのですが、2刷では、かなり改まりました。しかし、なお、表記の不統一が見出され、汗顔の至りです。
 なお、2刷とは言いながら、章の中には、かなり本文が変わっているものもありますので、関心がおありの方は、御確認ください。
2016.5.26





『内モンゴルを知るための60章』

【参考】

点滅 明石書店「エリア・スタディーズ」第135

ボルジギン・ブレンサイン編著
赤坂恒明 編集協力
内モンゴルを知るための60
明石書店, 2015.7.
ISBN 978-4-7503-4223-8
http://www.akashi.co.jp/book/b208189

    目次
     はじめに(ボルジギン・ブレンサイン)
     T 内モンゴルとは何か?
      第1章  ボルジギン・ブレンサイン「歴史地理としての内モンゴル その歴史と風土」
      第2章  赤坂恒明「現代内モンゴルの基礎情報 中国領モンゴル族を理解するために」
      コラム1 ボルジギン・ブレンサイン
           「日本版「スーホの白い馬」と中国版「馬頭琴」の物語」
     U 現代内モンゴルの諸相
      第3章  ネメフジャルガル「内モンゴルに遊牧民はいるのか? 遊牧民たちの現在」
      第4章  ボルジギン・ブレンサイン「「農民モンゴル」 農耕モンゴル人村落社会」
      第5章  ガンボルド「知識青年たちの内モンゴル 「内蒙知青」の今と昔」
      第6章  ネメフジャルガル「内モンゴルにおける漢族の牧畜民 草原地帯では漢族も牧畜民」
      第7章  ボルジギン・ブレンサイン「“内蒙古大草原”のブランド価値 “伊利”と“蒙牛”」
      第8章  星野仏方「黄砂と内モンゴルの砂漠化 砂漠化の真実と知られざる黄砂のナゾ」
      第9章  ナムジリン・ボルド「現代内モンゴルにおける新活仏の認定 難産する新活仏たち」
      コラム2 ボルジギン・ブレンサイン「世界一のレアアース生産地──内モンゴル」
     V 現代内モンゴルの生活風景
      第10章  ボルジギン・ブレンサイン「内モンゴル料理 中華料理とモンゴル料理の間」
      第11章  包聯群「「双語/バイリンガル教育」の真偽 内モンゴルにおける言語生活」
      第12章  ボルジギン・ブレンサイン「インジャンナシ的内モンゴル文学の伝統 多様な文学世界」
      第13章  シンジルト「赤い小枝:オラーンムチル 内モンゴルが果たす役割」
      コラム3 ボルジギン・ブレンサイン
           「「生態移民」で故郷を追われた牧民の就職先──フフホトのモンゴル料理屋」
     W 内モンゴルと中国
      第14章  永井匠「アルタン・ハーンとフフホトの成り立ち 草原都市の誕生」
      第15章  岡洋樹「清代内ジャサグと内モンゴル 清代から近現代へ」
      第16章  ボルジギン・ブレンサイン「「金丹道暴動」 モンゴル近現代史のはじまり」
      第17章  チョクト「中秋節と月餅 蒙・漢対立の過去と現在」
      第18章  橘誠「内・外モンゴルの岐路 「キャフタ協定」」
      第19章  周太平(ウルゲディ・タイブン)
           「ハイサン公とモンゴルの独立 モンゴル独立の立役者」
      第20章  ウリジトクトホ「グンサンノルブ王 近代化志向とその挫折」
      第21章  水谷東洋「メルセー(郭道甫)の民族主義運動 ダウルとモンゴルの間に」
      第22章  ボルジギン・フスレ「デ・ワン(徳王) 独立の夢とその挫折」
      第23章  ウラディン・E・ボラク
           「ウランフ 現代内モンゴルの創立者」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
      第24章  ウラディン・E・ボラク「内モンゴルの「首都」張家口
             内モンゴル版「三都物語」」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
     X 内モンゴルと近代日本
      第25章  赤坂恒明「河原操子と鳥居きみ子 ハラチン王府の日本人女性教師」
      第26章  橘誠「バボージャブと内モンゴルの運命 時代に翻弄された男」
      第27章  窪田新一「三島海雲と内モンゴル カルピスを生んだモンゴルの乳製品」
      第28章  フフバートル「サイチンガー タブーの詩人とその作品」
      第29章  富川力道「モンゴル相撲「ブフ」と日本の相撲交流小史 その原点としての内モンゴル」
      第30章  鈴木仁麗「「赤い銃の年」 満洲事変によって「救われた」モンゴル人」
      第31章  リ・ナランゴア「仏教交流 内モンゴルと日本の近代」
      第32章  広川佐保「モンゴル人と建国大学 モンゴル人青年の模索と挫折」
      第33章  ウラディン・E・ボラク
           「「蒙奸」とは何か? 敗者の味方として支払う代償」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
      第34章  サヤナ・ナムサラエワ「ブリヤート人満洲国将軍ウルジン・ガルマエフ
             ロシア・中国・モンゴル国境における忠誠の問題」(赤坂恒明編訳)
      コラム4 赤坂恒明「張家口の蒙疆もうきょう神社」
     Y 中国領モンゴル人の世界
      第35章  ボルジギン・ブレンサイン「「蒙古族」は如何につくられたのか 線引きはどこにあるか」
      第36章  謝咏梅「中国本土に残った元の末裔たち 民族意識の「覚醒」」(赤坂恒明訳)
      第37章  赤坂恒明「ヴォルガ河畔から移動したトルゴード人 「東帰英雄伝」とその周辺」
      第38章  赤坂恒明「モンゴル人の牧草地であった大慶油田 黒龍江省のモンゴル人」
      第39章  シンジルト「青海モンゴル族 チベット化、モンゴル化、漢化」
      第40章  赤坂恒明「トゥバ人も「蒙古族」 新疆ウイグル自治区のモンゴル人」
      コラム5 ボルジギン・ブレンサイン「バルガ月餅」
     Z 内モンゴルとモンゴル国
      第41章  サンピルドンドブ・チョローン「チョイバルサンの内モンゴル合併計画
             スターリンとの腹のさぐり合い」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
      第42章  ボルジギン・フスレ「内・外モンゴル統合運動の挫折 1945〜46年」
      第43章  テグス「内モンゴルにおけるキリル文字導入運動 統一文字への夢」
      第44章  ウラディン・E・ボラク「後ろ盾になれない「後ろ盾」
             内モンゴルにとってのモンゴル国」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
      第45章  ウラディン・E・ボラク「中国からユネスコの世界遺産に登録されたホーミー
             文化遺産の争奪」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
      第46章 ボルジギン・ブレンサイン「フビライ・ハーン 中国の皇帝か、モンゴルの大ハーンか」
      第47章  ウラディン・E・ボラク「どっち付かずものは厄介なもの
             ハイブリッドの宿命」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
     [ 内モンゴルにおける多民族世界
      第48章  暁敏「ダウルはモンゴルか否か 個別民族としての歩み」
      第49章  赤坂恒明「エベンキとオロチョン 民族自治旗を持つ二つの少数民族」
      第50章  柳澤明「内モンゴルの満族 八旗の残影」
      第51章  澤井充生「帰化城と「回民区」 内モンゴル・フフホトのムスリム集住地域」
      第52章  サヤナ・ナムサラエワ「ブリヤート人の移動と分断 ディアスポラの軌跡」(赤坂恒明訳)
      コラム6 ウラディン・E・ボラク「「徳」碑」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
     \ 戦後の内モンゴル
      第53章  ウラディン・E・ボラク「内モンゴル自治政府から内モンゴル自治区へ
             格下げはなぜ起きたのか?」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
      第54章  ウラディン・E・ボラク「「中華民族の英雄」チンギス・ハーン
             果たして誰の英雄か」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
      第55章 ボルジギン・ブレンサイン「民族英雄ガーダー・メイリンの語られ方
             何故英雄であり続けられるのか」
      第56章  ウラディン・E・ボラク「モンゴル族の忠誠心への試練
             「新内人党事件」@」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
      第57章  ウラディン・E・ボラク「モンゴル族の忠誠心への試練
             「新内人党事件」A」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
      第58章  ボルジギン・ブレンサイン「1981年の内モンゴルにおける学生運動 その知られざる真実」
      第59章  ウラディン・E・ボラク「モンゴル人が漢人を養う構図
             ウランフの対中国政策」(ボルジギン・ブレンサイン訳)
      第60章  ボルジギン・ブレンサイン「「平和闘争」という内モンゴル的な生き方 知識人陣営の底力」
      コラム7 ボルジギン・ブレンサイン「モンゴル人は内モンゴルの主体か、客体か」
     内モンゴルを知るための参考文献
     附表1 内モンゴル自治区における諸民族の人口
     附表2 内モンゴル自治区以外の省区におけるモンゴル系諸民族の民族自治州、自治県
     附表3 中国におけるモンゴル系諸民族の人口(2010年統計)



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