赤坂恒明
「天正四年の『堂上次第』について

── 特に滅亡前夜の北畠一門に関する記載を中心に ──

『十六世紀史論叢』第二号, 十六世紀史論叢刊行会, 2013年10月, 1〜36頁


【概略】
 陽明文庫所蔵の天正四年の公家名簿『堂上次第 天正四正五』の翻刻と記載内容の分析。本史料における所謂「戦国公家大名」(戦国期在国公家領主)に関する記載を、永禄六年の『補略』、元亀二年の『堂上次第』、彰考館文庫所蔵の元亀四年三月の『堂上次第』の記載と比較・検討。天正四年十一月末に織田氏に滅ぼされた北畠一門は、嫡流の伊勢国司家と、伊勢国司家との関係が密接な有力庶家にとどまっていた事実を指摘した。

【目次】
  はじめに
  一 天正四年の『堂上次第』の翻刻
  二 天正四年の『堂上次第』の構成と記載内容の検討
  三 天正四年の『堂上次第』における、所謂「戦国公家
    大名(在国公家領主)」に関する記載の検討
   1 土佐一条家とその一族、同家に仕えた公家衆
   2 飛騨姉小路諸家
   3 北畠一門
      波岡家
      伊勢国司家 ── 北畠晴具・具教・具房・信意
      田丸(玉丸)具忠
      坂内具信
      大河内具良・大河内庶子房成
      木造具政・具梁
      木造庶子北畠政能
      小原国永
      藤方教賢
      越坂具成
      北畠国成(国忠)・北畠宗雅・北畠庶子親安
  四 天正四年十一月末に滅ぼされた北畠一門
  おわりに
  注


【参考】
 拙稿「天正四年の『堂上次第』について ── 特に滅亡前夜の北畠一門に関する記載を中心に ──」所載の『十六世紀史論叢』第二号が刊行されております。
『十六世紀史論叢』第二号
『十六世紀史論叢』第二号
市川, 十六世紀史論叢刊行会, 2013年10月
論説
 赤坂恒明「天正四年の『堂上次第』について
 ― 特に滅亡前夜の北畠一門に関する記載を中心に ―」
 小川雄「慶長年間の浦賀貿易について
 ─ その実現から破綻まで ─」
 谷口雄太「足利氏御一家補考三題」
 中脇聖「土佐一条兼定権力の特質について」
 渡邊大門「中世後期における摂津国八部郡白川村の在地構造」

 拙稿では、陽明文庫所蔵の天正四年の公家名簿『堂上次第 天正四正五』の翻刻と記載内容の分析を行いました。本史料における所謂「戦国公家大名」(戦国期在国公家領主)に関する記載を、永禄六年の『補略』、元亀二年の『堂上次第』、彰考館文庫所蔵の元亀四年三月の『堂上次第』の記載と比較・検討し、天正四年十一月末に織田氏に滅ぼされた北畠一門は、嫡流の伊勢国司家と、伊勢国司家との関係が密接な有力庶家にとどまっていた事実を指摘しました。
 読み直して見ましたところ、冗漫な部分が目立ち、論点をより明確にすべきであったと反省いたしておりますが、御意見等をいただくことができましたら幸いと存じます。
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