馬橋から市川市の国分まで歩く(201627日)
松戸市馬橋東市民センター
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松戸市馬橋東市民センター
松戸市馬橋東市民センター

 201627日、市川で開催された十六世紀史研究学会 第1回研究会に出席しました。
 東武鉄道の初石駅から歩いて流山中央図書館に行き、流鉄線で流山から馬橋へ出、其処から歩いて新京成の上本郷駅を経、2015630日に歩いた鉄道聯隊軍用軌道跡を再訪して陣ヶ前バス停に至りました。
 そこからはバスに乗って市川に向かう所存でしたが、バスの便が少なかったため、結局、下総国分寺の東に位置する国分バス停まで歩く仕儀と相成りました次第です。
 上掲の写真は、途中で立ち寄りました松戸市馬橋東市民センターです。馬橋駅南東にあり、なかなか面白い20世紀現代建築物です。
 なお、鉄道聯隊軌道跡には、以前とは一変してしまっていた光景もありました。後日あらためて、写真と文とで紹介したいと思います。
(2016216日)
和名ヶ谷中学校前の鉄道聯隊軍用軌道跡
吹奏楽の調べの聞こえる和名ヶ谷中学校前の鉄道聯隊軍用軌道跡


喪われた光景
松戸新田の鉄道聯隊軍用軌道境界標石群
201627日)

松戸新田

   201627日、馬橋から市川市の国分まで歩きましたが、その際に、2015630日に歩いた鉄道聯隊軍用軌道跡を再訪しました。
 鉄道聯隊軌道跡には、以前とは一変してしまっていた光景もありました。すなわち、「松戸市内に現存する軍用軌道遺址の圧巻、畑の中に点在する、湾曲する軍用軌道境界標石群(松戸市 松戸新田)」です。
 20156月の訪問時に、ちょうどボーリング調査が行われておりましたので、「この畑にも、近いうちに、一定の規模のある建築物が建造されるに違いない。そして、このシュールな光景も、まもなく喪われてしまうこととなるのであろう」と書きましたが、予想どおりの結果となっておりました。

 松戸市消防局中央署から、県道松戸・鎌ヶ谷線(281号線)を渡り、「吉兵衛屋敷公園」に向かいましたところ、軍用軌道跡の茂みは落葉しており、遠くを見通すことができます(左下の写真)。境界標石群が点在していた畑の表土は、剥ぎ取られておりました。
 「事業計画公開板」が、茂みの手前に掲げられております(右下の写真)。
松戸新田松戸新田
 案の定、でした。
 「事業計画公開板」によりますと、事業目的は「店舗」、計画戸数は「1棟」、構造は「鉄骨造2階建て屋上駐車場」、工事着手予定日は「平成28年4月上旬頃」であるとのことです。
松戸新田
2015630
松戸新田
201627
 土曜日でしたので、働いている人の姿はありませんでしたが、目下、開発に先立つ遺跡発掘作業が行われている様子です。そこから目視した限り、境界標石は、一基も見つけることができませんでした。
 そこで、もと畑地であった店舗建設予定地に隣接している「ペットランド松戸店」駐車場に行ってみますと、駐車場と店舗建設予定地とを隔てる金網の柵のすぐ外側にある境界標石は、現存しておりました(右の写真)。
 しかし、金網の内側から見わたしてみても、もとの畑地の中に境界標石は、まったく見当たりません。境界標石群は、金網の傍らの一基を除き、すべて撤去されていることが、確認されました。
松戸新田
 次に、庚申塔がある交差点を左折し、「グローバルクリーニング松戸工場」の北側に出てみました。
 そこから、かつては畑の中に点在する軍用軌道境界標石群を一望することができました(左下の写真)が、いまや、表土を剥ぎ取られた店舗建設予定地には、ブルーシートとショベルカー、工事用の小屋が目立つばかりです(右下の写真)。
松戸新田
2015630
松戸新田
201627
 開発地にブルーシート、と言えば、遺跡の発掘です。少し先に、立て看板がありました(右下の写真)。遺跡調査に関する公示です。
松戸新田松戸新田
 それによりますと、遺跡名は「下水遺跡 第13地点」、業務名は「店舗建設工事に伴う埋蔵文化財発掘調査業務」との由です。
 発掘作業は三月末日まで行われ、四月からは店舗の建設が始まります。軍用軌道境界標石群に次いで、今度は遺跡が失われますが、これは、日本全国、各地で起きている、べつに珍しくもない事象の一つということになるのでしょう。
松戸新田
2015630
松戸新田
201627
 それにつけても、松戸新田の軍用軌道境界標石群は、消えてしまう前に、わが目で観察することができただけでも僥倖でした。そう思うべきでしょう。
 現に、訪問が今一歩、遅かったがために、既に破壊されて、目の前でショベルカーが瓦礫を片付けている最中、という近代(昭和初期)の遺構もありました。
 ともかく、金網の傍らに一基のみ残されている境界標石が、歴史を物語る遺物の一つとして、今後とも、その場に残り続けられるように、と願っております。
松戸新田
 ロウバイ(蠟梅)が路傍に咲き、香っておりました。
 その花を心の中で、今はなき境界標石群に手向けました次第です。
2016.2.26 公開


 
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