(2020年12月9日訪問)
小渕砂丘(不二山砂丘)
春日部市内には、「中川低地の河畔砂丘群」と称される、三つの内陸性砂丘があります。
それらは、「榛名山や浅間山の火山灰等に由来する大量の砂が平安〜室町時代の寒冷期の強い季節風により、利根川の旧河道沿いに吹き溜められて形成された内陸性の砂丘」であるとの由です。
・藤塚砂丘
藤塚香取神社の境内
・浜川戸砂丘
春日部八幡神社の境内と、春日部稲荷大明神
・小渕砂丘(不二山砂丘)
浄春院、小淵鷺神社・本郷鷲神社、埼玉霊園ほか
これらは、いずれも東武鉄道伊勢崎線の駅から徒歩で行くことが可能です。
もっとも、それなりに砂丘らしい雰囲気があるのは、小渕砂丘(不二山砂丘)のみです。
藤塚砂丘(藤塚香取神社)
藤塚香取神社の境内は、確かに、周囲より少々高くなっております。しかし、言われてみなければ、これが砂丘であるとは全く分かりません。
浜川戸砂丘(春日部稲荷大明神)
春日部八幡神社の本殿の左手と、奥社、右手に連なっている稲荷神社が砂丘部分です。それなりの高さがある丘ですが、鎮守の森となっているため、砂丘らしさは全くありません。
案内板は、稲荷神社の登り口、二箇所に掲げられています。
小渕砂丘(小淵鷺神社・本郷鷲神社)
最も砂丘らしく、また、規模が大きいのは、この小渕砂丘(不二山砂丘)です。砂丘の南端部分を、不二山浄春院が背にしており、土手状の砂丘には松の木が生えております。浄春院の北側に隣接している(但し、塀があるため、直接、往来することはできません)小淵鷺神社・本郷鷲神社(一宮二社)の西南から北にかけては浄春院の墓地が古利根川に沿って南北に伸びております。
(不二山砂丘)
(2021年1月18日昼頃)
(小渕砂丘を南東方より)
春日部の三砂丘を2020年12月9日に訪問した際には、時間の都合により、小渕砂丘(不二山砂丘)の北の端にまでは行くことができませんでした。そこで、2021年1月18日に再訪した際に、小渕砂丘の北端まで歩いてみました。
(浄春院境内の陀枳尼尊天。背後は砂丘)
浄春院のお堂と小淵鷺神社・本郷鷲神社より以北に延びている砂丘は、古利根川に面した一部分が林・茂みとなっており、その一角にキリスト教徒の墓地があります(自動車によって古利根川の側から未舗装道で、そこまでは上がることが可能です)。しかし、それ以外は、基本的には、ほぼすべて浄春院の墓地または墓地予定地です。そして、埼玉霊園は、砂丘の麓の平地部分に広がっているにすぎず、砂丘には全くかかっていない、ということを確認することができました。
鷺神社・鷲神社以北に広がっている墓地では、踏みしめる足下は、まさに砂丘そのものです。上等の革靴を履いて歩くことは、勧められません。
(小渕砂丘の東北部)
砂丘の東北部分からは、階段で下ることができます。砂丘から下りた麓にも浄春院の墓地があります。埼玉霊園は、さらにその先に、砂丘の北側を包むように位置しております。
砂丘とは言いましても墓地ですので、訪問の際には十分に注意を払う必要があるでしょう。
藤塚香取神社(藤塚砂丘)
(2022.2.16)
藤塚香取神社(2023.12.26.撮影)
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