春日部市内の古隅田川方面を再訪
(2023年3月27日)
曇天のもと、2023年3月27日月曜日、春日部市新方袋の満蔵寺の門前にたたずむ、能「隅田川」ゆかりの「梅若塚」を再訪しました。前年四月二日以来の訪問です。
2023年は桜の開花が早かったので、急に思い立ち、花見を兼ねての体力維持をと、正午少し前に自転車で出発しました。
野田橋を渡り、松伏町金杉の中川旧河道の堤防を西に進みますと、その年も関東タンポポとシロバナタンポポがたくさん咲いておりました。
例の如く「松伏町緑の丘公園」にて軽く休憩し、中川の堤防に出て北西に進み、「倉田橋」から先は工事中のため左折して県道10号線を進み、赤沼交差点で国道4号線越谷春日部バイパスを横断、豊野から古利根川の東側の古い道に移り、春日部霊園の先からは古利根川左岸の自転車・遊歩道を桜を愛でつつ進み、「藤塚橋」で古利根川を渡り、一ノ割駅の南を経て「大沼」西方の道を直進、春日部市消防本部に少し立ち寄ります。
春日部市消防本部
更に西進して、上蛭田の「コモディイイダ豊春店」内のブックオフ豊春店にてしばし古本を漁り、その後、すぐ近くの上蛭田稲荷神社の「仙台枝垂れ桜」を賞翫します。
上蛭田稲荷神社「仙台枝垂れ桜」
そこから北東に進んで豊春駅東側の小さな踏切を過ぎり、「川面橋」で旧古隅田川を渡り、旧古隅田川の堤防跡に到りました。この堤防跡の一部は「古隅田公園」と称され、土手の上を遊歩道として歩くことができるように整備されております。
堤防跡の土盛りを道が乗り越えている場所の西南(南中曽根337番地の西隣)で、豊春中学校の部活動帰りとおぼしき女子中学生二人が堤防跡の斜面に生えていたタンポポの綿毛の柄を摘んでいたのを目にし、今どきにしては珍しい女子中学生かな、と思いつつ更に先へと進み、「矢島橋」で再び旧古隅田川を渡り、南下して「旧古隅田川」バス停たもとの橋から、上流方面の川面にかかる桜を眺めましたところ、先刻のタンポポ女子中学生二人組が、桜の写真を携帯電話で撮ったりして桜とたわむれておりました。
もちろん、声をかけたりなどは、いたしません。
再び堤防跡に戻り、件の女子中学生が摘んでいたタンポポが関東タンポポであったことを確認しました。
その西の方の堤防跡(古隅田公園)の一角に保存されている江戸時代の石橋「やじま橋」(「矢島橋」から移設)を見学します。
やじま橋
「やじま橋」から北上、宮川小学校の三方を取り囲むような形で回って南中曽根荒神社を経て、目的地の満蔵寺に到りました。
満蔵寺
満蔵寺の「梅若塚」の桜は散り始めの満開で、傍らの柳も薄緑色に美しく彩られておりました。
前年は訪問時間がやや遅く、寺の境内に立ち入ることができませんでしたが、このたびは正面大扉の右手にある小扉が開いておりましたので、境内の奥にまで足を伸ばすことができました。
かつて、昭和時代まで、古隅田川は春日部市の東部を大きく蛇行しており、満蔵寺の裏手すなわち東隣を「旧古隅田川南里線」排水路(つまりドブ川)として流れておりました。この排水路は、平成時代に暗渠化されて遊歩道「古隅田川緑道」として整備され、今では満蔵寺が川のほとりにあったことを偲ぶのは困難です。
古隅田川緑道
公式には「古隅田川緑道」から満蔵寺に直接立ち入りできるとはされておりません。しかし、2023年3月27日の時点では、「首なし地蔵尊」の案内板に面したあたりの植え込みの切れ目に、スリ抜けることができる隙間が存在しておりました。
それを確認した後、「梅若塚」に戻り、咲き誇る桜を愛でて、再び自転車に乗って満蔵寺を後にしました。
満蔵寺詣での正式の交通路である、自動車の通行量が少なくない車道を南東に進みます。この車道は、古隅田川の旧河道の西方100メートルを隔てて並走しており、車道と旧河道の間には(少なくとも昭和以来の)田舎の光景が広がっており、眺めていて心が和みます。尤も、車道は狭く、歩行者や自転車は、たえず自動車に気を付ける必要があります。
その車道が国道16号線と交わる新方袋交差点を左折して国道16号線を数十メートルほど北上すると「丸源ラーメン春日部16号バイパス店」があります。その店は、ほぼ、古隅田川の堤防跡の上にあるようです。その先、さらに数十メートルほどの所に、異臭を放つドブ川があります。これこそが、古隅田川の旧河道、「旧古隅田川南里線」の成れの果ての無残な姿です。
古隅田川の旧河道
かつて、古隅田川の旧河道「旧古隅田川南里線」は、春日部市南栄町の工業団地を三角形の二辺で囲むような形で流れておりました。
_______古隅田川
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\/←古隅田川旧河道
(旧古隅田川南里線)
その西の一辺は暗渠となって前述の遊歩道「古隅田川緑道」と化し、その南端、国道16号線の手前で地表に姿を現して、変わり果てたドブ川となり、方向を変えます。そのドブ川は、東の一辺として国道16号線沿いに北東に向かって流れ、途中から再び暗渠となり、新河道に合流しております。
さて、遊歩道「古隅田川緑道」の東側は南栄町の工業団地で、時おり、塗料のシンナー臭が漂ってきます。西側には植え込みが連なっておりますが、ところどころ植え込みが無い場所もあります。先ほど確認済みの満蔵寺へスリ抜けられる隙間は、遊歩道側から垣間見れば、満蔵寺の「首なし地蔵尊」の案内板が甚だよく目立つ状況で立てられており、あたかも秘密の出入り口の存在をわざわざ示しているかのようにさえ見えてしまいます。
首なし地蔵尊
この「古隅田川緑道」の西側には、古隅田川の堤防跡が、部分的には消滅しておりますが(満蔵寺の墓地など)、かなり良好な状態で残されているのを望み見ることができます。
古隅田川堤防跡
「古隅田川緑道」の北端は、古隅田川の旧河道(旧古隅田川南里線/古隅田川緑道)と新河道との分岐点にあたります。
古隅田川旧河道・新河道分岐点
古隅田川の新河道は、その地点からほぼ東へ直線で延びており、国道16号線の「古隅田橋」の手前まで、見事な桜並木となっております。その桜はおそらく戦後に植えられたものなのでしょう。
古隅田川の対岸に回り、新旧両河道の分岐点を再確認した後に、帰途に就きました。
古隅田川新河道南岸の桜並木の下を東に向かい、国道16号線を横切った先の「浜川戸橋」で古隅田川を渡り、北岸にある「ベルク春日部梅田店」に立ち寄り少々買い物をしました。この「浜川戸橋」は、能楽「隅田川」を意匠とした浮き彫り板で飾られております。
浜川戸橋
そこからは古隅田川の北岸を東に進み、梅田女體神社の門前を経て、古利根川の合流点に到りました。
梅田女體神社門前
「十文橋」で古隅田川を渡り、古利根川の右岸を東進、東武野田線の鉄橋の手前の「牛島人道橋」で古利根川を渡り、藤塚橋まで古利根川の左岸を南下、左折して藤塚砂丘の藤塚香取神社の北側を通過します。
藤塚香取神社
さらに藤塚小学校の西側を経て、国道4号線越谷春日部バイパスの「庄内古川橋」の南側で国道をくぐり、「倉田橋」から先は、ほぼ庄内古川の東岸を南下し、往きも通った松伏町金杉の中川旧河道の堤防でタンポポの種を収穫し、野田橋を渡り、途中で買い物もして夕刻18時頃に帰宅、ただちにタンポポの種を撒きました次第です。
(2023年3月28/29日初稿, 2024年4月30日改訂・公開, 修訂あり)
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