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早稲田大学エクステンションセンターでの公開講座、
 
クリミア汗国の歴史
ヨーロッパ最後のチンギス・ハン後裔政権とロシア・ウクライナ
 
が、「Zoomウェビナーを使用したオンライン講座」
によって、十一月〜十二月に開かれます(全五回)。
 
https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/56746/
 
ウクライナ東部〜南部の黒海・アゾフ海北岸地域は、近代以前には騎馬遊牧民が根拠地とした広大な草原でした。この地は、13世紀にモンゴル帝国の西北部を構成したキプチャク汗国の、その分裂後はクリミア半島を本拠地としたクリミア汗国の支配下に入りました。チンギス・ハンの長男ジュチの子孫を戴いたクリミア汗国は、モスクワ、リトアニア大公国と肩を並べる地域大国で、その騎兵はモスクワ・ロシアを数百回にわたり襲撃し、一度はモスクワを炎上させました。本講座では、日本ではその通史を知ることが困難であるヨーロッパ最後のチンギス・ハン後裔政権クリミア汗国について、ロシア・ウクライナとの関係を含め、政治史を中心に紹介します。
1 11/18 キプチャク汗国の分裂とクリミア汗国の成立 スキタイ、サルマタイ、フン、キプチャク(ポロヴェツ)等々さまざまな騎馬遊牧民が興亡を繰り返した黒海・アゾフ海北岸の草原地帯は、13世紀、モンゴル帝国に征服され、モンゴル帝国の西北部を構成したキプチャク汗国の支配下に入りました。14世紀後半、キプチャク汗国は分裂し、王族の一人ハージー=ギレイがリトアニア大公国の支援を受け、1441年、クリミア半島における支配権を確立しました。通説では、これがクリミア汗国の成立とされております。ハージー=ギレイは、キプチャク汗国の正統政権とされる大オルダ、および、クリミア半島南部のカッファに植民地を有したジェノヴァ人と対立し、オスマン帝国と同盟を結びました。第1回では、クリミア汗国成立に至るまでの政治的動向と、その初代君主とされるハージー=ギレイの事績について説明します。
2 11/25 クリミア汗国の発展と、モスクワ・ロシアへの襲撃 ハージー=ギレイの子メングリ=ギレイは、父の没後、オスマン帝国(ジェノヴァ領カファを14756月に占領)の支援を受けて兄弟との継承争いを制しました。以後、クリミア汗国はオスマン帝国の宗主権下に入り、オスマン帝国の軍事力を背景に発展を遂げることとなります。クリミア軍はオスマン帝国の軍事作戦に参加しましたが、時にはオスマン帝国の意向に反する行動をも取りました。また、クリミア汗国は、当初、モスクワ・ロシアとの関係は原則として友好的でしたが、イヴァン雷帝によるヴォルガ川流域への進出に伴い関係が悪化し、16世紀後半からクリミア汗国はロシアへの襲撃を本格的に開始し、1571年にはモスクワを炎上させました。第2回では、クリミア汗国の発展と、東ヨーロッパにおけるロシア、リトアニア・ポーランド、オスマン帝国との国際関係におけるクリミア汗国の政治的位置について検討します。
3 12/02 ロシア帝国の南下政策とクリミア汗国の衰退 クリミア軍のロシア襲撃は、政治的な軍事行動であると同時に、人的資源をも含めた戦利品の獲得という経済活動でもありました。また、ロシア国家は、1685年までクリミア汗たちに貢税を払い続けました(最終的な廃止は1700年)。しかし、ロシアはウクライナを中心に、万里の長城のような障壁を構築・強化し、クリミア軍の襲撃を防御しました。また、クリミア汗国の背後にあったオスマン帝国、および、ポーランドの衰退、ウクライナにおけるコサックの興起、ロシア帝国の勢力拡大の影響を受け、17世紀以降、クリミア汗国は衰退の一途をたどりました。ロシアの南下政策は、ピョートル大帝のアゾフ遠征(1696年)を経て、オスマン軍を大敗させた露土戦争の講和条約キュチュク=カイナルジャ条約(1774年)によってクリミア汗国をオスマン帝国から政治的に切り離しました。第3回では、ロシア帝国の南下政策のもとにおけるクリミア汗国の衰退について概観します。
4 12/09 クリミア汗国の滅亡と、遺された人々の変転 オスマン帝国から「独立」したクリミア汗国にはロシアの影響力が強まりました。ロシアの支援下にクリミア汗となったシャーヒーン=ギレイは改革を性急に推し進めましたが、それに失敗して国内混乱を引き起こしました。将軍ポチョムキンのクリミア進軍によってシャーヒーン=ギレイはクリミア汗位を恢復しましたが、結局、ロシア皇帝エカテリーナ二世から見放され、1783年、クリミア汗国は廃止されました。その継承政権(クバン汗国)は西北コーカサスのクバン地方でしばらく存続しましたが1792年に終焉、ヨーロッパにおけるチンギス・ハン後裔王朝は消滅しました。クリミア汗国滅亡後、その遺民たるテュルク系イスラム教徒の子孫は近代に至り、クリミア・タタール民族として自民族の歴史を再構築する上でクリミア汗国を民族アイデンティティ(自己帰一意識)の中核と位置付けました。第4回では、クリミア汗国の歴史を総括し、また、クリミア汗国のもとで民族形成を遂げた諸民族、すなわち、スターリンによって故郷から追放されたクリミア・タタール人、ナチス・ドイツに虐殺されたクリムチャク人、2022年にマリウポリにおける民族社会が壊滅したクリミア・ギリシア人についても言及します。



赤坂恒明 監訳/金山あゆみ 訳注『ラシード=アッディーン『集史』「モンゴル史」部族篇訳注』(風間書房, 2022.4. https://www.kazamashobo.co.jp/products/detail.php?product_id=2446)が、現在、発売中です。気合を入れれば大学生でも購入できる価格に設定されております。風間書房の意気に応じていただければ幸いです。
2022.5.1

赤坂恒明 監訳/金山あゆみ 訳注『ラシード=アッディーン『集史』「モンゴル史」部族篇訳注』(風間書房, 2022.4. https://www.kazamashobo.co.jp/products/detail.php?product_id=2446)は、週明けから逐次、出荷されます。少しでも多くの読者の手に渡り、研究の裾野が広がるように、との期待を込めて、可能な限りの経費節減に努め、420頁にして価格は税込み3000円台に抑えております。なお、780gありますので、片手に取って頁を繰るには、いささか重量があります。携帯して手軽に記載内容を知りたい方には、本書とは別に群雄堂刊行の旧版四冊本(序文、索引、固有名詞のキリル文字表記なし、訳注もやや簡略)もあります(https://sites.google.com/view/gunyu/)。共に御購入され、適宜、使い分けされれば良いのでは、と愚考いたします。
2022.4.17

近刊の、赤坂恒明 監訳/金山あゆみ 訳注『ラシード=アッディーン『集史』「モンゴル史」部族篇訳注』(風間書房, 2022.4. https://www.kazamashobo.co.jp/products/detail.php?product_id=2446)は、すでに印刷が完了し、現在、製本中です。本書を風間書房に直接ご予約の先着八名様には、特典?として旧稿の抜刷を進呈いたします。記念品として御笑納いただければ幸いです。
2022.4.09



マリウポリの固有先住民族クリミア・ギリシア人(マリウポリ・ギリシア人、アゾフ・ギリシア人)につきましては拙HPにも小文を書いております(http://akasakatsuneaki.c.ooco.jp/s/mariupol-urum-rumey.html)が、頑強に抵抗を続けて来たマリウポリ市がロシア侵略軍によって今日、明日にも制圧されてしまうことは避けられそうにありません。この戦禍の中で、クリミア・ギリシア人の民族社会は既に壊滅し、彼らの一部が話す二つの固有言語、テュルク系ウルム語と、ギリシア語の方言ルメイ語の話者の社会的基盤も失われてしまったようです。
 この21世紀に、「クリミア汗国」との所縁が深い一つの固有民族の社会が物理的に抹殺されていくのを同時進行形で目の当たりにするとは、想像できませんでした。
 四月にはプーチンは失脚しているものと、開戦直後には(確たる根拠なしに)憶測していたのですが、期待は外れました。一刻も早く“X day”が来て、ロシア侵略軍がウクライナ全土から撤兵し、秩序が恢復することを強く願っております。
 (願っているだけでなく、今月も具体的な行動として、モルドバ大使館にわずかばかりですが義援金を寄付してきました)
2022.4.17



978-4-642-08369-0
日本史史料研究会 監修
 
赤坂恒明
 
「王」と呼ばれた皇族
 
古代・中世皇統の末流

 
東京、吉川弘文館、二〇二〇年一月
 
(発売:二〇一九年十二月二十日)
 
ISBN 978-4-642-08369-0
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b487640.html


細々と発売中の本書にも、「個人用電子書籍」が、202111月より、紀伊國屋書店の「Kinoppy」等で配信される、との由です。価格は紙の書籍と同額です。なお、電子版の発売にともない、紙の書籍の存在意義が相対的に低くなります。紙の書籍の購入を御検討の方は、拙著『ジュチ裔諸政権史の研究』の如く品切・絶版となって入手不可能となる前に、お早目に御購入いただければ、と存じます。
2021.10.21



小文「刀鍛冶の徒弟であった御落胤、伏見宮貞致親王」所載の 渡邊大門 編『歴史が拓く未来』(市川、歴史と文化の研究所、2021.1)は、発行されるや即日、品切れとなり、その後、ごく少部数が増刷されましたが、同じく品切れとなりました。本書を所蔵する図書館・研究機関は、私の把握する限り、国立国会図書館と八王子市図書館のみです。そこで、すでに稀覯書と化しております本書の517頁に所載の小文を、編者 渡邊大門先生から御認可いただきまして、ネット上に公開いたしました(ただし、「おわりに」の大部分は公開を差控えております)。学術論文ではなく、小著『「王」と呼ばれた皇族 古代・中世皇統の末流 』で割愛した文章を増補修訂した、一般読者向けの文章です。御一読いただければ幸いです。
2021.4.28



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過去に掲げた探訪記・写真等



● 以前に使用していた電子メール・アドレス「akasaka@aoni.waseda.jp」は既に廃止されております。

● かつて私が或る公開講座にて語った内容が、甚だ不正確に解釈された形で、私の発言として或るブログに書かれております。しかし、そのようなことは全く述べておりません。まことに困ったことです。

● 本ページのアドレスは、二〇〇四年九月末、
   http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/3312/index.html
 から
   http://www.geocities.jp/akasakatsuneaki/index.html
 に変更され、更に二〇一九年二月十三日、
   http://akasakatsuneaki.c.ooco.jp/index.html
 に変更されました。




ウクライナ共和国民族・母語人口統計一覧表(2001年)
ウクライナ共和国クリミア自治共和国民族・母語人口統計一覧表(2001年)
ウクライナ共和国ドネツィク(ドネツク)州民族・母語人口統計一覧表(2001年)
ウクライナ共和国ヘルソン州民族・母語人口統計一覧表(2001年)
ウクライナ共和国オデサ(オデッサ)州民族・母語人口統計一覧表(2001年)



過去の記事より

 
(再公開作業中)


 
マリウポリのクインジ記念美術館の破壊

 
戦禍のマリウポリとクリミア・ギリシア人

 
「広きドニエプル川は咆哮し、うなりをあげ」Реве та стогне Дніпр широкий ウクライナ民族の象徴的歌曲
  「広きドニエプル川は咆哮し、うなりをあげ」(「広きドニエプルの嵐」)のウクライナ語カタカナ歌詞 PDF

 
哀悼 ヒシクトクトホ č.kesigtoγtaqu(賀希格陶克陶)先生

 
2021年:現代ウイグル民族命名百周年(20211220日記)

 
今はなき清水公園の「乗り物公園」(2021920日記

 
遠州堀江城主大澤左衛門佐基胤夫妻の墓(池袋の瑞鳳山祥雲寺)(2021620日記

 
最初の在日ウイグル民族(2021524日, 61日記

 
学術関連情報 音源付きミシャル・タタール民謡集 L.X.ジガンシナ、L.I.サルヴァロワ編『ラムベラのタタール=ミシャル人の民謡』(《タタール民族音楽=詩作品》第五巻)(202157日記

 
木寺宮研究の進展(2021417日記

 
善良両氏 (202121日記

 
20201221日の「天声人語」における『スーホの白い馬』によせて (20201222日記

 
或る日本人モンゴル帝国史研究者から、或る中国人(漢族)若手同業者への便り (202099日 日本語による電子メールからの抄録

 
カザン刊民俗音楽音源付書籍三点と、ペルム地方の「黄金基産(フォンド)」CD六点 ──ヴォルガ・ウラル地域諸民族の民俗音楽音源資料より── ウドムルト、コミ=ペルミャク、マリー、タタール、バシコルト(バシキール)等 (20191213日)

 
地名サランスクを知らざる金帳汗国史研究者は“もぐり”也と云わざるべからず (2018629日)

 
研究情報 : 十八〜十九世紀の北カフカスの歴史におけるチンギス・ハンの後裔たち (2018312日)

 
東カレリア北部のカレリア・フィン民謡の音源資料(2016.11.27.記)

 
価格百分之一 トルクメンとモンゴルの豪華写真集(20151013日)

 
研究情報 : 近刊のランプール本『集史』「モンゴル史」写真版刊本(2015108日)

 
訃報 タラスベク・アセムクロフ Talasbek Asemkulov 氏(2014年11月4日記)

 
拙稿中の一章「ウテミシュ=ハージーの『チンギス=ナーマ』の史料性,再論」(2013.6.29)

 
タタール民族の国民的芸術家ウルマンチェ生誕115年記念展図録(2013.6.8)

 
研究情報 : 十五〜十七世紀のロシアにおけるチンギス家一門 (2012.4.27)

 
アルメニアで刊行された、アイヴァゾフスキーに関する美術研究書 (2012.4.12)

 
三たびクインジ (2012.2.7)

 
油地獄 イサーク・レヴィタン生誕百五十周年 (2011.09.04)

 
ロシア美術館のアルヒプ・クインジ (2011.07.18)

 
A.I.クインジ歿後百周年によせて (2010.11.22)



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