講義概要 令和時代は日本史上、皇位継承権を持つ皇族が最少の時代です。安定的な皇位継承に欠かせない皇族数確保のため、国会では皇室典範をめぐる議論が行われました。その際に、「天皇や皇族と養子縁組をして皇籍に戻った事例は存在しない」との主張がありましたが、その先例はあります。実は、前近代の皇族に関する研究は盛んではなく、研究者にも事実関係が十分に把握されていない場合が少なくありません。本講座では、最新の研究成果を踏まえて、皇統に属する皇族の歴史を、古代から近代に至るまで通史的に明らかにします。特に今般の皇室典範をめぐる国会議論の焦点の一つとなる皇族と非皇族間の身位移動について具体例を取り上げ検討します。 |